家づくりを考え始めると、必ず出てくるのが「長期優良住宅」と「ZEH(ゼッチ)」という言葉。
どちらも「性能が高い」「補助金が出る」「国が推奨している」と言われていて、なんとなく“良さそう”なイメージがありますよね。
でも、実際に調べてみると、
「どっちが本当にお得なの?」
「うちの暮らしにはどっちが合ってるの?」
と、迷ってしまう人も多いはず。
私自身も、夫と何度も話し合いました。
「補助金がもらえるなら長期優良住宅?」
「光熱費が安くなるならZEH?」
「でも、維持費とか初期費用とか…結局どっちが高いの?」
そんな疑問に向き合いながら、主婦目線でリアルに比較してみた結果を、この記事にまとめました。
長期優良住宅とZEHって何?
長期優良住宅とは?
- 国が定めた基準を満たした「長く安心して住める家」
- 耐震性・劣化対策・省エネ性・維持管理のしやすさなど、10項目以上の基準をクリア
- 認定を受けると、税制優遇・補助金・資産価値の向上などのメリットあり
- ただし、定期的な点検・修繕の義務あり(維持保全計画)
ZEH(ゼッチ)とは?
- 「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略
- 高断熱+高効率設備+太陽光発電などで、年間のエネルギー収支をゼロ以下にする家
- 光熱費がほぼかからず、災害時にも安心
- 補助金制度が充実していて、初期費用の負担を軽減できる
長期優良住宅orZEH 比較①|性能の違い
性能 | 優良住宅 | ZEH |
---|---|---|
耐震性 | ◎(基準あり) | △(任意) |
劣化対策 | ◎(構造材・工法に基準) | △(特に定めなし) |
断熱性能 | ◯(省エネ基準以上) | ◎(断熱等級5以上) |
気密性 | ◯(基準あり) | ◎(高気密が前提) |
創エネ(太陽光) | 任意 | 原則必須 |
維持管理性 | ◎(配管・設備交換しやすい設計) | △(会社による) |
結論:構造の安心感なら長期優良住宅、光熱費の削減ならZEHが強い。
長期優良住宅orZEH 比較②|補助金・税制優遇
2025年現在、両者とも補助金制度が用意されています。
長期優良住宅の補助金・優遇
- 子育てグリーン住宅支援事業:最大80万円
- 住宅ローン控除の上限アップ(最大5,000万円)
- 固定資産税の減額(5年間)
- 不動産取得税の軽減
- 地震保険料の割引
EHの補助金・優遇
- ZEH支援事業:最大55万円
- 子育てグリーン住宅支援事業(ZEH水準住宅+解体):最大60万円
- 住宅ローン控除の対象
- 光熱費の削減(年間10万〜15万円の節約も)
- 災害時の自立性(停電時も生活可能)
結論:補助金額は長期優良住宅がやや多め。
ただし、ZEHは光熱費の節約効果が長期的に大きい。
長期優良住宅orZEH 比較③|初期費用と維持費
初期費用
- 長期優良住宅:構造材・断熱材のグレードアップ、申請費用などで+50万〜150万円
- ZEH:太陽光発電・高効率設備の導入で+100万〜200万円(補助金で相殺可能)
維持費
- 長期優良住宅:維持保全計画に基づく点検・修繕が義務(30年で300万〜500万円)
- ZEH:太陽光パネルのメンテナンス・交換費用(20年で約100万〜150万円)
結論:長期優良住宅は維持費が高め。ZEHは初期費用が高いが、補助金と光熱費削減で回収可能。
長期優良住宅orZEH 比較④|暮らしやすさ・家事動線・将来の柔軟性
性能や補助金も大事だけど、実際に住むとなると「暮らしやすさ」がいちばん大事。
ここで注目したいのが、間取りの自由度や将来の柔軟性です。
長期優良住宅の場合
- 認定を受けるために、間取りや構造に制約が出ることも
- 将来的な増改築には、再申請や構造変更の制限がある場合も
- 維持保全計画に沿った設計が必要なので、自由度がやや低め
ZEHの場合
- 基本的には間取りの自由度が高い
- 太陽光パネルの配置や屋根形状に制約が出ることもあるが、設計の柔軟性は高め
- 将来的なリフォームも比較的自由
結論:設計の自由度や将来の柔軟性を重視するなら、ZEHの方が選びやすい。
長期優良住宅orZEH 比較⑤|災害時の安心感
長期優良住宅
- 耐震性が高く、構造的な安心感は◎
- ただし、停電時の対応は基本的に外部依存(電力復旧を待つ)
ZEH
- 太陽光発電+蓄電池があれば、停電時でも電気が使える
- 災害時の自立性が高く、冷蔵庫・照明・スマホ充電などが可能
結論:災害時のライフライン確保を重視するなら、ZEHが圧倒的に有利。
長期優良住宅orZEH 比較⑥|向いている人のタイプ
我が家も長期優良住宅とZEHの両方を真剣に検討しています。
でも、最終的に重視したいのは「今の暮らしに無理がないこと」と「将来の柔軟性」です。
- 教育費や生活費を優先したい
- メンテナンスに毎回お金をかけるのは不安
- 災害時に子どもたちを守れる家がいい
- 将来的に住み替えや売却も視野に入れている
そんな私たちにとっては、ZEH仕様のローコスト住宅が「ちょうどいい」選択肢でした。
もちろん、長期優良住宅の安心感や資産価値も魅力的。
でも、「制度に合わせるより、暮らしに合わせる」ことが、私たちの家づくりの軸になりました。
制度に振り回されず、“わが家らしい選択”を
長期優良住宅もZEHも、制度としてはとても魅力的。
でも、家づくりって、制度のためにするものじゃないんですよね。
補助金があるから選ぶ。
認定が取れるから安心。
それもひとつの判断材料だけど、**本当に大事なのは「その家でどう暮らしたいか」**だと思うんです。
私たち家族も、制度のメリットに惹かれた時期がありました。
でも、話し合いを重ねるうちに、
「今の生活に無理がないこと」
「将来の変化に柔軟に対応できること」
「家族が気持ちよく過ごせること」
そんな“わが家の軸”が見えてきました。
制度はあくまで“道具”。
使うかどうかは、自分たちで決めていい。
そして、使わなくても、ちゃんと幸せな家づくりはできる。
このブログが、同じように迷っている誰かにとって、
「制度に合わせるんじゃなくて、自分たちに合わせていいんだ」って思えるきっかけになったら嬉しいです。
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